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食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が併発した犬の1例

食物アレルギー アトピー性皮膚炎 併発 犬
皮膚トラブル症例

■ 来院理由:皮膚の痒み

3歳頃から皮膚を痒がるようになったそうです。アレルギー用の食事を試しても、毎日の内服薬(抗ヒスタミン剤とステロイド剤)や週1回のシャンプーを試しても痒みが治まらず、皮膚科を受診されました。

食物アレルギー アトピー性皮膚炎 併発 犬 来院時

 

■ 5歳×柴犬

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、柴犬は犬のアトピー性皮膚炎になりやすい犬種だと言われています。この子もアレルギーの血液検査を受けていましたが、結果はいずれも陰性でした。つまり血液検査からはアレルギー反応を見つける事は出来なかった、という事です。

 

■ いったい痒みの原因は何なのでしょうか?

皮膚の写真を見てみると体や太ももの後ろの辺りなど、毛が抜けている事が分かると思います。特に体の部分は虫食い状に毛が抜けています。よく見てみると、脱毛の周辺にフケのようなものがあり、一部は皮膚が黒くなっているという変化が認められました。

この症状は、犬によく認められる『膿皮症』という皮膚病の症状に一致しています。この部分を検査してみると、やはり『細菌感染』が認められました。そこで、膿皮症の治療として、これまで使用していたシャンプーを『抗菌シャンプー』に切り替え、さらに、シャンプーの後に保湿をして、乾燥による痒みやバリア機能の低下を防ぐことにしました。

ここで一件落着とはなりません。

 

■ なんで細菌感染が起こったかを考えましょう

実は、膿皮症はアレルギーの犬に良く認められます。特に、アトピー性皮膚炎の犬は皮膚のバリア機能が弱く、細菌感染が起こりやすい皮膚の状態となっています。更に、痒みを抑えるために服用していたステロイド剤は、皮膚に細菌感染しやすい状態を引き起こしてしまいます。

 

■ もう一度アレルギーを疑う

そこで、これまで食べていた食物アレルギー用のフードを変更し、違う種類の食物アレルギー用フードに切り替えました。更に、食事の効果を確認する為に、内服薬(抗ヒスタミン剤&ステロイド剤)の服用を中止しました。

 

■ 運命の再診日

2ヶ月後の再診時、痒みはかなり軽減し、背中や太ももの脱毛部分はすっかり治っていました。(下写真参照)

食物アレルギー アトピー性皮膚炎 併発 犬 再診時

さらに、この後、元の食事に戻したところ、痒みの再発が認められました。この事から、この柴犬さんは食物アレルギーがある事が判明しました。しかし、痒みが完全になくならなかった事からアトピー性皮膚炎の併発を考え、少量のステロイド剤(10日間に1回)を服用する事で痒みをコントロールする事が出来ました。

室内飼育の犬はアレルギーになりやすい!?

 

■ あれ?血液検査やったのでは…?

「あれ?でも血液検査の結果はアレルギーではなかったんじゃないですか?」という質問が聞こえてきそうです。実は、血液検査だけでアレルギーかどうかを確定することは難しいんです。アレルギーの診断は年齢や犬種、症状が出始めてからの経過、そして症状がポイントです。また、食事アレルギーを調べるにはアレルギー用の食事に変えて痒みがなくなるかどうかを見る方法が、より確実に診断できると言われています。

動物病院での血液検査で、犬のアトピー性皮膚炎を調べられる?

 

■ まとめ

この柴犬さんは食物アレルギーが主たる皮膚病であり、更にアトピー性皮膚炎も併発していました。そこに、細菌感染が起こり、治りにくい皮膚の状態に陥っておりました。ガンコな痒みが続く犬の皮膚病は、幾つかの病気が入り混じっている事があります。その為、飼い主さんと獣医師が連携を取り、根気強く進めていくことが大切です。

「治らない!原因が分からない!」と言うときは獣医皮膚科医に相談してみて下さいね。

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