脱毛が劇的に改善したポメラニアンの1例

皮膚トラブル症例

■ 来院理由:毛が抜けている

10歳のポメラニアンさんが、毛が抜けているということで来院されました。頭と手足には毛が生えていますが、体の部分は毛がかなり抜けている状態でした。診察の結果、『アロペシアX』という脱毛症である事が分かりました。普段は服を着させて脱毛を隠しているとの事でしたので、少しでも早く良くなるように診察を心掛けました。

 

 

■ アロペシアXとは?

アロペシアXは毛の生えかわるサイクルが止まってしまう事による脱毛症です。原因はまだ判明していない病気ですが、特にポメラニアンを始めとする北欧犬種(シベリアン・ハスキー、アラスカン・マラミュートetc.)がこの病気になりやすいと言われています。美容上の問題のみであり、健康状態に問題がでることはありません。

 

■ 治療法は?

原因不明のアロペシアXの治療法はまだハッキリと分かっておりません。しかし、いくつかの治療法で効果が認められていますので、ご紹介致します。

 

① 薬による治療

ホルモンを調節する薬が、この病気の治療に効果的な場合があります。甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン、性ホルモンなどに働きかける薬です。なかには副作用の危険性がある薬もありますので、注意が必要です。

 

② サプリメントによる治療

毛を生やす効果のあるサプリメントがいくつかあります。サプリメントですので副作用はほとんどないのが利点です。

 

③ マイクロニードルによる治療

細い針で皮膚に刺激を与える事で細胞を活性化させ、発毛を促す治療法です。人では火傷して瘢痕化した皮膚などに用います。美容器具を用いて行いますが、痛みを伴いますので局所/全身麻酔が必要となります。

 

④ 去勢・避妊手術を行う

アロペシアXは、ホルモンの異常によって発症する可能性があると考えられている為、去勢・避妊手術を行う場合があります。

 

■ 治療の効果は?

今回のポメラニアンさんは、海藻から作られた犬用のサプリメントで治療をすることになりました。サプリメントによる治療は副作用も少なく、飼主様にも受け入れられやすい治療法だと思います。

 

① 治療開始2ヶ月後

毛が生えてきて、身体の側面部は皮膚が毛に覆われてきました。ただ、お尻周りは少し脱毛が目立つ状態です。あと一歩、頑張りましょう!

 

② 治療開始4ヶ月後

治療開始4ヶ月後には、こんなに毛がふさふさになりました!4ヶ月前とは別犬のようです。これぞポメラニアン!という姿となり、飼主様も大喜びでした。最初の1週間は飼主様も疑心暗鬼でしたが、サプリメントの効果は少しずつ効いてくるので、諦めずに粘って投薬を続けられて良かったです。

 

■ まとめ

今回のように上手くいかないケースもありますが、獣医皮膚科の発展とともに治療方法が多くなってきています。美容上のみの問題と言われる事もありますが、やはり愛犬にはキレイでいて欲しいと思うのが飼い主心情だと思います。是非諦めずに、愛犬の皮膚の健康を守っていきましょう!

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