犬猫用の保湿剤『ダームワン』ってどんな製品ですか?

ダームワン
コラム

■ 犬猫用の保湿剤『ダームワン』とは?

ダームワンは㈱ビルバックジャパンが販売している犬猫用のスポットオンタイプの保湿剤です。本製品にはセラミド、コレルテロールエステル、遊離脂肪酸が配合されています。これら3成分は皮膚の最も表面にあって、皮膚のバリア機能に重要な役割を果たす『角質層』と呼ばれる構造に存在し、水分の保持をおこなっています。

 

犬猫 角質層

 

■ セラミドとは?

これらの成分は、犬や猫、もちろん人の皮膚にも元々ある『保湿成分』です。特に注目すべきはセラミドです。セラミドを知っている方も多いのではないでしょうか?人の基礎化粧品や入浴剤などにも含まれることの多い保湿成分です。

セラミド

 

セラミドは上記3成分の中でも水分の保持力が高く、角層の中に最も豊富に存在します。このセラミドが角層から減ってしまうと、皮膚のバリア機能が低下することが犬でも分かっています。その結果、肌が乾燥しやすく、ちょっとした刺激でかゆみや皮膚炎が生じてしまいます。

皮膚病の中では、特にアトピー体質がある場合に、皮膚でうまくセラミドが作れない可能性が指摘されています。従って、セラミド入りの保湿剤を使うと、角質の健康維持のみならず、アトピー肌の改善が期待できると考えられています。

犬や猫用の保湿剤はお薬とは違って、なかなか効果の検討(科学的根拠/エビエンス)が詳細に示されない傾向があります。しかし、このダームワンという製品は、犬のアトピー性皮膚炎で効果が検証されています。『週に3回程度使用した結果、アトピー性皮膚炎の症状の緩和と崩れた角質構造の回復が起こった』ことが報告されています。

ダームワン エビデンス

 

 

■ ダームワンの使い方

ダームワンは2mlのピペット包装になっています。使用方法には体重別に使用する量が記載されていますので、その量を目安に使用します。

添付書には首から背中の皮膚にノミダニの駆除薬のように全量滴下する方法が示されています。1カ所に滴下しても周囲10cm四方に広がることがメーカーから示されてはいますが、乾燥の気になる部分、かゆみや皮膚炎を起こしやすい部分があれば、それぞれに適量を薄く塗り伸ばして使用することも有用です。

ダームワン 使い方

 

使う回数は1週間に1回と記載されていますが、先ほど述べたようにアトピー性皮膚炎で乾燥がひどい場合には、週3回程度の頻度で使用しても良いでしょう。ただし塗る量や回数が多いとベタツキ感がでることがありますので、適宜調整してください。

使うタイミングとしては、シャンプー後がオススメです。シャンプーは皮膚や毛の汚れを落とすためにはとても有用なツールですが、皮膚の保湿成分も洗い流してしまうリスクがあります。したがって、シャンプーをした後に適応して頂くことで、シャンプー後の乾燥を防止することも期待できるでしょう。

 

■ まとめ

ダームワンを始め、それぞれの保湿剤に含まれる成分がどのような役割を果たしているのかをチェックすることも大事ですね。また、添付書に書いてあること以外に有効な活用方法がある製品も少なくありませんので、保湿剤をお使いの際には獣医皮膚科医に意見を求めてみてはいかがでしょうか?

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