犬のイボを見つけた時に考えたい3つのコト

犬 イボ
コラム

愛犬にイボが!

皮膚に、イボやおでき、しこりのようなものを見つけた…このまま様子を見ていていいのか、動物病院に行った方が良いのか心配になりますよね。一体何が原因で出来たものなのでしょうか?

 

イボを見つけた時に考えておきたい3つのコト

① 炎症

皮膚は表面から表皮、真皮、皮下組織の3層からなります。皮膚の深い部分、つまり真皮や皮下組織に炎症が起こると、皮膚がしこりのように腫れます。皮膚の深い部分の炎症は、主にケガや傷、菌が深く感染、トゲなどの異物が刺さった場合に認められます。炎症が強い場合には、しこりの部分が熱っぽかったり、触ると痛がることもあります。また、感染や異物などの場合は、しこりがはじけて膿や血を認めることがあります。

 

② 腫瘍

皮膚は腫瘍が発生しやすい、見つけやすい臓器と言われています。腫瘍ときくと、「ガン」をイメージすることがあるかと思いますが、腫瘍には『良性の腫瘍』と『悪性の腫瘍』が存在します。

■良性腫瘍
大きくなることはあっても、他の臓器に広がる(転移)ことや、命に影響するということが少ないタイプの腫瘍です。

■悪性腫瘍
転移を起こしたり、体の中に入り込みながら大きさや数を増やし、悪影響を及ぼすタイプの腫瘍です。一般的に『ガン』と呼ばれるものは、こちらの腫瘍となります。

最初の見た目は良性でも悪性でも、小さなしこりから始まることが多いので、初期の段階では見た目ではなかなか判断できません。しかし、悪性腫瘍は以下のような特徴を持つ事を知っておきましょう。

  • 大きくなるスピードが早い(たとえば1ヶ月程度で倍の大きさになるなど)
  • 表面がただれている
  • 出血している
  • 非常に痒がる
  • 非常に痛がる

また、年を取ってから急にできたもの、爪の根元にしこりができた場合は、がんの可能性が高くなると言われていますので、このような点に注意しましょう。しかし、しこりができても「がんかもしれない!?」とすぐに不安にならないでください。「皮膚では良性と悪性はどちらが多いのか?」と言うと、圧倒的に良性腫瘍のほうが多いとされています。

 

③ その他

人間の粉瘤のように、角化物や皮脂やたまった袋のような構造ができて、しこりになる場合もあります。また、唾液腺や汗腺がつまってしこりを形成する場合もあります。

これらは直接的に身体に悪影響を与える事はありませんが、大きくなりすぎると物理的に邪魔になる事があります。そのような場合は、麻酔下・鎮痛下で切除する事があります。

 

動物病院ではどんな検査をするの?

イボの原因が3つのうちのどれに当てはまるのかは、見た目だけでは分からない為、動物病院では詳しい検査を行います。最も簡便な方法に、しこりに小さな針を刺して中のものを顕微鏡で見る『細胞診検査』があります。この検査は、基本的に麻酔が必要でなく、動物への侵襲も大きくない(痛みが少ない)という特徴があります。しかし、診断する為の材料が少ない事から、この検査だけでは確定診断に至らないことも少なくありません。

確定診断にはイボの一部、あるいは全部をとって、『病理検査』という検査を行います。全身麻酔あるいは局所麻酔が必要となりますが、原因を突き止める事が出来るだけでなく、物理的に切除出来る事がメリットとなります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?イボにも幾つもの種類がある事がお分かり頂けた事だと思います。イボが小さなものであっても、悪性腫瘍のように急速に拡大していく可能性がああります。一方、「これなら大丈夫!」と獣医師から言ってもらえる事もあります。

動物病院では『気づき』や『安心』を得られるので、1人で思い悩まず、一度動物病院を受診してみて下さい。

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