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犬のアトピー性皮膚炎 - 薬の特性を活かした治療が回復への鍵 –

皮膚トラブル症例

■ 来院理由

痒がっているトイ・プードル

診察室でも痒がる様子

今回ご紹介するのは、2歳のトイ・プードルさんです。

来院理由は、『犬アトピー性皮膚炎と診断され治療を受けていたが、痒みが続いているため』とのことでした。それまでは犬アトピー性皮膚炎の内服薬による治療を受けていました。この薬は約3年前に販売開始された『アポキル』という名前で、痒みを抑える作用に即効性があり、副作用も比較的少ない薬であり、アトピー性皮膚炎の治療に重宝されます。しかし、このワンちゃんの症状には改善が認められませんでした。なぜでしょうか?

■ アトピー性皮膚炎とは?

犬アトピー性皮膚炎は痒みが続くのが特徴の皮膚疾患です。3歳以下から発症する事が多く、完治しない皮膚病であるため、長年うまく付き合っていくことが重要となります。

▪ 詳しくはこちら(うちの犬、アレルギーかも!?2017.6)

うちの犬、アレルギーかも!?

■ アトピーに併発するトラブルを解決せよ!

犬のアトピー性皮膚炎では、アレルギーによる痒みの他にも様々なトラブルが起こります。そのため、治療は併発するトラブルも共に治療する事が重要です。このトイ・プードルさんの飼主さんによると体臭が気になるとのことでした。

ニオイの原因は何か?検査するとマラセチアという菌が見つかりました

■ マラセチア皮膚炎とは?

マラセチアは犬の皮膚に常在する真菌の一種で、皮膚の脂を好んで増える性質があります。ニオイの原因はズバリ、過剰な皮脂によると考えられます。アトピー性皮膚炎にともなって皮脂の分泌が過剰になる場合があり、さらにはマラセチアが増加します。すると、増えたマラセチアに対してもアレルギー反応が生じ、痒みがさらに悪化してしまいます。したがって、増えたマラセチアを減らす、そしてマラセチアを増やさないようにする対策が必要となります。

マラセチアの治療は、抗真菌薬の投与や抗菌シャンプーによる洗浄が有効です。しかし、アトピー性皮膚炎の犬では、頻回の洗浄が皮膚の刺激や乾燥などの好ましくない症状を引き起こす可能性もあります。また、抗真菌剤の投与はあくまでも一時的なマラセチアの数の減少を期待する事はできますが、止めるとすぐに再発してしまうといったケースも少なくありません

そこで、過剰な皮脂を抑えてマラセチア増殖を防ぐことが重要になります。マラセチアの栄養源となる皮脂をコントロールすることでマラセチアの増加を予防することができるのです。

愛犬がマラセチア性皮膚炎に!私にも出来ることってありますか?

■どのように皮脂をコントロールするか

これまで服薬してきた内服薬は、皮脂の過剰な分泌を抑えるのが得意ではありませんでした。そこで皮脂のコントロールを目的として、クレンジングオイルを開始するとともに、皮脂のコントロール作用が期待できる内服薬に切り替えました。

 

■ 運命の再診日

治療後の改善写真

左:初診時  右:治療2ヶ月後

すると皮膚の症状は徐々に回復し、痒みが和らいで毛も伸びてきました。特に舐め動作が止まらなかった前足との症状が劇的に改善され、首の下のベタつき&かゆみも大幅に改善されました。

薬の服用回数も毎日から3日に1回と減らすことが出来ました。また、飼い主さんが気にしていた『体臭』も改善され、とても嬉しそうにされておりました。

 

■ まとめ

それぞれの治療薬の特性を十分理解して治療に用いることで、症状の回復につなげることができます。アトピー性皮膚炎だから治らない…と諦める前に一度かかりつけの動物病院や獣医皮膚科医に相談してみてはいかがでしょうか。

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