うちのシー・ズーはベタベタなんですが、病気ですか?

『肌がベタベタする。』

人では汗が出たり皮膚の脂分(皮脂)が多いと、このように感じますよね。ワンちゃんも同じく、皮脂が多く分泌されていると、私たちが触った時に「ベタベタしてるな」と感じます。実はこの『ベタベタ』、犬にも結構起こります。特にシー・ズーは、ベタつきを生じやすい犬種の1つなので、今回も獣医皮膚科専門医が丁寧に説明していきます。

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どうしてベタベタになるの?

シー・ズーは中国原産のペキニーズとチベット原産のラサ・アプソの交配によって生まれた犬種であり、寒く乾燥した気候の土地で誕生しました。その為、皮膚はその環境から体を守るために、皮脂を多く分泌するように、密で長い毛を持つようになりました。健康なシー・ズーでも、他の犬種と比べると皮膚がしっとりしているように感じられるかもしれません。そして、シー・ズーの皮膚がベタベタしていると感じられる時は、皮脂の分泌が多すぎることが原因です。

基本的に皮脂の分泌は特に夏に多くなるのですが、これは日本の夏が高温多湿である事が関係しております。シー・ズーの生まれ故郷の気候とは全く逆なので、日本の気候とシー・ズーの肌質は相性があまり良くありません。さらにシー・ズーは、遺伝的に皮脂の分泌が多い体質である可能性が示唆されています。

また、病気の影響により、皮脂の分泌が過剰になってしまうこともあります。例えば、甲状腺ホルモンが少なくなってしまう病気(甲状腺機能低下症)では皮脂の量が増えてベタベタした感じになります。他には、『おやつをたくさんあげている』『食事の栄養バランスが不適切』といった場合にも、皮脂の成分が変化して、ベタベタの皮膚になることもあります。

 

ベタベタの結果・・・

皮膚の脂の量が増えると、それをエサとする皮膚の表面の真菌が増えます。ご存知の方もいるかもしれませんが、皮脂が大好きなマラセチアという真菌です。皮膚がベタベタで痒みがあったり、皮膚が赤くなっているシー・ズーからは、マラセチアが検出される事が非常に多いです。マラセチアが増える事で、皮膚のかゆみや炎症が引き起こされるため、非常に厄介です。

ベタベタ皮膚が原因で来院されたシー・ズー(After写真が1番下に)

 

このベタベタどうしたらいいの?

シー・ズーは家の中で生活していることがほとんどだと思います。ベタベタしてくると皮膚状態も気になりますし、飼主様もニオイが気になってきますよね。ではどうしたらいいのでしょう?

甲状腺の病気や食事などが原因になっている場合は、それらに対する適切な対処が必要となります。病気の探索や不適切な給餌の見直しを検討しましょう!病気ではなく遺伝や生まれつきの体質の場合は、積極的にスキンケアをしてあげるのがオススメです(もちろん病気や食事で皮膚がベタベタになった子にもスキンケアの併用が効果的です)。

 

ベタベタからの卒業

多すぎる皮脂とそれに伴って増えるマラセチアから卒業するために大切なポイントが大きく分けて3つあります。

① シャンプーの選び方

皮膚の体質と症状に合ったシャンプーを選ぶ事が重要です。細菌や真菌が増えている場合に薬用シャンプーを使用する事は問題ありませんが、 なぜ細菌や真菌が増えているのかを考える必要があります。

薬用シャンプーのように刺激が強いシャンプーで皮脂をゴッソリ取ってしまうと、皮膚が「皮脂が全然足りない!たくさん補充しないと!」と勘違いして、皮脂を大量に分泌してしまいます。シャンプー後1,2日で皮膚がベタベタしてしまうようだと、この“皮脂のリバウンド”が起こっている可能性があるので注意しましょう。

 

② シャンプーのやり方

ご自身の頭を洗う時、泡立ちが悪いなあと感じたことはないですか?汗やアブラでかなり汚れている時に泡立ちが悪くなります。これは皮膚がベタベタのシー・ズーでも同じであり、一度のシャンプーでは泡立ちが悪いことがあります。したがって、何度かシャンプーを繰り返して、皮脂をしっかり落とすことが大事になります。

しかし、皮脂を落としすぎるのも皮膚にとってはリスクになるため、『シャンプー前にクレンジングオイルを使う』『入浴する』事で皮脂を落とし、シャンプーの回数を減らす事も大切です。

また、ベタベタした皮膚に対して、「これでもか!」とゴシゴシ洗うのは逆効果です。

  • 原液を皮膚に直接かける
  • 皮膚をゴシゴシ洗う

というのは御法度なので、思い当たる方は今日から気をつけましょう。洗い方を変えただけで皮膚病が改善する事もありますので「シャンプーのやり方、侮ることなかれ!」です。

 

③ シャンプーの後も大事

シャンプーで洗浄した後は、さっぱりするローションやスプレータイプの保湿剤をかけてあげましょう。「ベタベタした皮膚は乾燥していないから保湿は要らないんじゃない?」と思われている方がいるかもしれませんが、そんな事はありません。乾燥肌を守るために、皮膚が過剰に皮脂を分泌してベタベタしているケースも多いです。

私たちヒトの事を思い出して下さい。「ベタベタ肌の方は保湿不要です!」なんて広告はみた事がありませんよね。『カサカサ肌用』『ベタベタ肌用』などの違いこそあれ、全ての肌に保湿が必要です。特に女性はお顔の洗浄後、化粧水や乳液を使用する方が多いのではないでしょうか。保湿には、『皮膚の乾燥を防ぐ』『皮脂のリバウンドを防ぐ』という効果が期待出来ます。やった事がない方は是非試して見て下さい。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?シー・ズーのベタベタ肌、蒸し暑い季節に症状がひどくなる傾向があります。しかし、「シー・ズーを日本で飼うのは可哀想だ!」なんて言うつもりはありません。しっかりとしたスキンケアを意識することで、上手にお付き合いすることが可能だからです。

かと言って、皮膚に合うシャンプーや正しいシャンプーの方法を知るのも少しコツが必要です。分からない事があれば、動物病院の皮膚科医に相談してみて下さい。

クレンジングの使用とシャンプーの変更でサラサラ被毛&健康皮膚に改善♪(After写真)
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