皮膚のバリア機能ってなんですか? 〜犬猫の皮膚の役割とケア〜

昼寝する子犬
スキンケア

皮膚はただ体の外側をカバーしているだけ・・・と思ってはいけません。“体の外側をカバーする”ということは、とても大変なことなのです。

 

2つの“守る”機能

といいますのも、体の外側の世界には体に害を及ぼす危険がたくさんあります。皮膚には、外側の世界の危険が体の中に入らないように守る機能があります。さらには体の中にとどめておかなければならない大切な要素が外の世界にでないように守る機能があります。この2つの守る機能が皮膚のバリア機能なのです。

 

皮膚バリア機能の例

①硬いもの、とがっているもの

もし皮膚が存在しないで中の臓器がむき出しになっていたらどうでしょうか?たとえば、小石が当たっただけで心臓や肝臓は大きく傷ついてしまいます。しかし、皮膚に小石がぶつかっても、簡単には壊れません。物理的な刺激を皮膚は体の中に入れないようにしているのです。

小石

 

②菌やカビ

空気中、テーブルの上、床・・・目には見えませんが、いたるところに菌やカビといった微生物が外の世界に存在します。犬は靴も履かずに散歩をしますが、散歩から帰ってきて皮膚がバイ菌負けする、ということはなかなかありませんね。菌やカビなどが体の中に侵入できないように、皮膚は一生懸命働いています。

微生物

 

③紫外線

紫外線は発ガン作用がある・・・ということをテレビなどで目にしたことがあるかと思います。紫外線は発ガン作用以外に、細胞を壊してしまう作用もあり、とても危険です。夏の暑い日でも外を歩けるのは、皮膚が体の中に紫外線を入れないようにするからですね。もちろん紫外線は皮膚にもダメージを与えてしまうので、日焼け止めが用いられます。

日焼け止め

 

④乾燥

私たち人も、犬や猫も体の大部分は水分で構成されていますが、外の世界はとても乾燥しています。たとえジメジメした梅雨の時期でも、瞬きをしなければ目はどんどん乾いてしまいますよね。そのぐらい陸上は乾燥しているのです。乾燥している環境では、体の中の水はどんどん奪われてしまいますが、皮膚が乾燥した外側の世界と体の中とを隔てることで、体の中に水をとどめておくことができます。

乾燥

 

バリア機能の主役は「角質層」

城壁では、皮膚のバリア機能にとても重要な役割をしている部分はどこでしょう?皮膚の中でも一番外側にある構造、つまり外の世界と直接触れる皮膚の構造が皮膚のバリア機能に重要です。その構造は角質層といいます。

人の美容液などの化粧品のCMで「角質ケアが重要!」と言われますが、まさにその通りなのです。角質層をケアすること=皮膚バリアを強くすることにつながるということです。角質層は角質細胞という細胞が幾重にも重なっています。

お城で例えれば、敵が城の中に入れないように第一線で守る城壁といえます。角質層は水分の保持にも役立っていると言われます。角質層ケアを行うと、みずみずしい肌が維持できるのはこういった理由です。ちなみに角質層のケアに最も重要な方法は保湿処置になります。

角質は言わば城壁

 

まとめ

いかがでしたか?皮膚って何もしていないように見えますが、バリア機能というとても大変な仕事をしている臓器なのです。そんな皮膚をいたわってあげるために、私たち人も動物も角質層のケアをもっと意識してみてはいかがでしょうか?

 

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA