シャンプーだけじゃない!犬のスキンケア 8つのポイント【獣医皮膚科専門医が解説】

スキンケア

■ 成功のカギは“トータル&デイリースキンケア

シャンプーで洗浄することや保湿剤を塗ることだけがスキンケアではありません。スキンケアには、外からのスキンケアと内からのスキンケアがあり、それぞれには様々な方法があります。今回、それぞれ4つずつポイントを紹介していこうと思います。

犬においてスキンケアを成功させるためには、複数のスキンケアを組み合わせて日常的に行うこと、つまりトータル&デイリースキンケアが重要となります。

 

■ 外からのスキンケア

外からのスキンケア

①洗浄

皮膚や毛にとって刺激となる汚れを除去します。犬における洗浄は界面活性型洗浄剤であるシャンプーがよく使われますが、その他クレンジング剤や入浴も有力なツールとなります。

 

②保湿

保湿剤や閉塞剤を皮膚に塗布することで、皮膚の水分保持力を高めるとともに、皮膚から水分が逃げるのを防ぎます。また、洗浄による皮膚の負担を軽減するためにも積極的に用いられます。

 

③保護

外の環境に存在するさまざまな刺激から皮膚を守るために、皮膚の保護を行います。サンスクリーン(日焼け止め)などの外用剤や、服の着用が一般的に用いられます。

 

④賦活

皮膚が本来持っている機能を高めるスキンケアです。マッサージや外用療法、ブラッシングなどによって、皮膚の血液循環の改善、育毛、皮脂抑制、殺菌、炎症緩和を図ります。

 

 

■ 内からのスキンケア

① 栄養管理

皮膚や毛、それに付属する部分を維持するためにはタンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルのバランスがとれた食事が必須です。また、年齢や皮膚のトラブルに合わせて食事の内容を調整します。

 

② 生活改善

健康な皮膚を保つために、活動時間や睡眠時間など、規則正しい生活をすることが大切です。

 

③環境管理

皮膚がさらされる外部の環境のケアを行います。犬が日常的に使用する場所(寝床など)の清掃、散歩コースや時間の調整、アレルゲンや刺激物の対策などが含まれます。

 

④ストレスケア

レクリエーションや犬のご家族との触れ合いを通して、ストレスを緩和します。

 

■ ヒトでおこなわれていることはスキンケアへ通じる

私たちは日常的にシャンプーや入浴を行い、入浴後は保湿剤を塗布します。紫外線にさらされないように、サンスクリーンや洋服を適応・着用し、マッサージ店や美容院に行って肌や毛のケアをします。肌が荒れるとバランスのとれた食事を心がけ、十分な睡眠をとり、ストレスを発散し、生活環境をより良い物にしようと気を使います。

このように、私たちが無意識のうちに行っている多くの事項はスキンケアの要素となります。現代社会で、犬は私たちヒトと同じ住環境やライフサイクルで生活するようになりました。犬のスキンケアもヒトと同じように、多面的に行うことが重要となります。

 

■ 獣医師からひとこと

いかがでしたか?ヒトも犬も『スキンケアは1日にしてならず』です。また体の内側と外側、両方からのケアが大切です。できることから毎日の生活にぜひ取り入れてみてくださいね!

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