皮膚病以外でもかゆくなる?犬猫にかゆみをもたらす皮膚病以外の4つの原因

犬 猫 かゆみ
スキンケア

『かゆみ』というのは皮膚でのみ認められる独特な症状です。「心臓がかゆい!肝臓がかゆい!」という経験をしたことがある方はいないかと思います。

一般的なかゆみの原因

動物でかゆみを起こす原因は、ノミやダニに刺される、細菌感染、カビ、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などが一般的です。皮膚でかゆみが起こると、舐めたり噛んだり擦ったりと、かゆみ動作が生じます。皮膚にかゆみが生じるメカニズムや原因・対策について理解するには、下の記事がオススメです。

皮膚と痒みの関係 – 愛犬愛猫をかゆみから守るために知っておきたい事 -【獣医皮膚科医のコラム】

 

皮膚病以外で起こるかゆみ?

一方、皮膚病以外でかゆみが生じる原因にはどのようなものがあるのでしょうか?また、実際にはかゆみではなく、『違和感』によって舐め動作や掻き動作が誘発されることがあるので、あわせて解説いたします。

①精神的な問題

精神的なバランスが崩れるとかゆみ動作が生じる場合があります。特に動物では、生活環境やライフスタイルの変化(引越し、家族構成の変化、新しい動物の飼育、近所で工事、地震や台風など)で過度なストレスがかかった場合に生じる確率が高くなります。この場合、皮膚科の側面からのアプローチ(皮膚科で使う薬やシャンプー)ではなかなか症状はよくなりません。必要に応じて、行動科の側面からの治療も必要となります。

②行動の問題

爪を噛む癖がある人がいるように、動物でも問題行動が皮膚に生じる場合があります。ご家族に相手にされなかったり、興奮したりすると足先を舐める、尾をおいかけるなどの問題行動が生じる場合があります。①と同様、必要に応じて行動科の側面からの治療も必要となります。

フレンチ・ブルドッグ

③痛みや違和感

人ではお腹や足が痛いと、その部分をさすりますね。動物でも同じように、痛みや違和感が他の臓器にあった場合、その臓器の近くにある皮膚を舐めたり噛んだりすることがあります。たとえば、関節痛があった場合に足を舐める、膀胱炎があったらお腹を舐める、といったことが挙げられます。③は皮膚科のアプローチをしてもまったく改善しない可能性があります。原因になっている臓器の治療が必要となります。

膀胱炎による違和感で舐めつづけた結果生じた皮膚炎

④その他

稀ではありますが、肝臓の調子がかなり悪い時に皮膚にかゆみが生じる場合があります。『肝皮症候群』という名前がついており、ここからも肝臓と皮膚に関連性があることが分かりますね。歳をとって体調が悪くなり、さらに皮膚もかゆい場合には、総合的な健診が必要となります。肝臓は『沈黙の臓器』と言われているのですが、これは肝臓が悪くなっても症状として中々現れないことに起因しております。そのため、定期的な健康診断をオススメしています。

犬 飼い主 夕日

 

まとめ

かゆみは皮膚病で主におきますが、皮膚病以外でもかゆみに似た症状が出ることを覚えておきましょう。特に、皮膚科の治療をしているけれど、薬が効かない、なかなか治らないといった場合には、皮膚病以外の原因に着目することが重要です。あまり症状が長引くようなら、早めの動物病院の受診をオススメします。

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